AM2:26
初夏の風に攫われて君は消えた
君の匂いが残るベッドシーツ
ふたつ並んだ歯ブラシも
もうこの部屋では見ることがないと思うと
長い睫毛は影を落とす
未練なんて
ひとつもないのに
さみしさだけがひとり歩きして
呆気ないんだね
こんなことなら
ギターなんて弾けなきゃよかった
幼い愛憎は揺れる
ままごと遊びだったかもしれないけれど
君がいる生活を守りたかった
致し方ない理由だって分かってる
それを否定するように
午前2時
おやすみなさいの言葉を放った
届かなかった言葉
虚しさだけが宙を舞う
私もこの部屋には帰らない
もう帰らない
さよならって言えたらよかった
煙草の煙が目に染みる